【参照記事】
【第88回天皇杯3回戦 横浜FC vs 沖縄】レポート:沖縄かりゆしFCの善戦及ばず。横浜FCが八角剛史のプロ初ゴールで、難しい天皇杯初戦を突破。/J's GOAL


地方大会を勝ち抜き、全国大会へ出場するチームにとって、3回戦以降は自分達よりもカエゴリーが上のチームとの戦いになり、「下克上」を狙ってくる。


横浜FCはポゼッションで。対する沖縄かりゆしFCはカウンターと運動量で一泡吹かせ、キーマンであるFW齋藤将基にボールを集めていき、ゲームを優位に持っていきたい。

両チーム共に思惑通りにゲームを支配出来たかと言うと、沖縄かりゆしFCがゲームを支配し、横浜FCは受けに回ってしまった感は否めない。

横浜FCはサイドから沖縄かりゆしの最終ラインを崩しに掛かるが、クロスの精度が悪く、前線へ繋がらない。

37分。横浜FCは右サイドから崩しに掛かり、ペナルティエリア内でボールをキープしたMF山田卓也がMF三浦知良へ。そのまま左足でミドルシュートを放つが沖縄かりゆしDFにボールが当たり、セカンドボールをキープし、カウンターを仕掛ける。中盤から出たボールに、FW浅野大地が右サイドを快走し、ゴールラインからギリギリにワンタッチでクロスを上げると、中央のFW齋藤将基へ。齋藤がDF吉本岳史との競り合いを制し、右足を振り抜き、GK小山健二の体に当たるが、勢いそのままにゴールネットを揺らす。

41分。沖縄かりゆしのFKのこぼれ球をDF三浦淳宏が大きくクリアし、逆にカウンターパスとなる。反応したFW池元友樹が沖縄かりゆし守備陣がGK含め4人詰め寄るが、落ち着いて右足からシュートを決めて同点に追い付き、同点で前半終了となる。

同じ様なカウンターでゴールを奪ったが、沖縄かりゆしが組織でゴールしたのに対し、横浜FCは個人の力で奪った様に見えた。

後半に入っても、前半同様なゲーム展開となる。

しかし、沖縄かりゆしは徐々に体力を削られた事もあり、また痙攣を起こし、選手が離脱し、ピッチ上に人数が少ない状況が続く。

横浜FCもサイドから崩し、前線へ繋げるがラストパスやクロスの精度が悪く、シュートにまでは至らない。

このまま、延長突入かと思われたロスタイム。途中交代で入ったFW?゙永哲が、右サイドをドリブルで突破し、沖縄かりゆし守備陣2人に詰め寄られるが、その間から低いクロスを上げると前線に飛び出したMF八角剛史がダイレクトボレーでゴール右隅に叩き込み、勝ち越し、試合終了。

沖縄かりゆしは勝ち越しを許した場面は1人少ない状況だったとは言え、良く走り抜いたし、攻守に於いてJ2相手に善戦しただろう。最終的には体力面の差で敗れはしたが、全国地域リーグ決勝大会へ繋がる試合だったし、今後にとって良い経験となった。

横浜FCは格下が相手だった事もあり、終始受けに回っていた。また、ラストパスやクロス、シュートの精度の悪さなどが試合を接戦に縺れ込んだ要因の一つだったと言えるのかもしれない。また、個人の力だけに頼るのではなく、組織として、選手と選手が一つ一つのプレーに連動性を持って、動いていかないと今後、来季以降も同じ事の繰り返しなるだろう。

ある一定の評価は出来るが、それ以上でも、それ以下でも無い。

4回戦は新潟との対戦となる。相手が格上となるだけに、常に自分達の力の100%以上の力を出し切らないと前に進む事は出来ないだろう。

この試合で沖縄かりゆしFCが見せた戦う姿勢とチャレンジを手本とし、J2の残り6試合と天皇杯での戦いの教訓にして欲しい。

今回の勝利を意味有るモノにするのか、しないのかは全て自分達に圧し掛かっている。