【参照記事】
【J2:第42節 岐阜 vs 横浜FC】レポート:苦しんだシーズンの末にたどり着いた本来のサッカーをぶつけた好試合は、横浜FCが2ヶ月ぶりの勝利を飾る。/J's GOAL
[ J2リーグ戦:第42節 試合総括 ] 好調の山形が4連勝。湘南、鳥栖、C大阪が3位の仙台に迫る。/J.League


試合開始早々から岐阜にペースは握られるものの、GK小山健二、DFエリゼウ、戸川健太を中心とした最終ラインが冷静に対処し、守備からリズムを作り、徐々に流れを戻しつつあった。

最初の猛攻を切り抜けるとMF根占真伍がワイドに動き、両サイドのMF三浦知良、三浦淳宏を基点に攻撃の形を作り始めるが、横浜FC攻撃陣がチャンスを逃したり、シュートを外したり、また岐阜GK日野優、DF川島眞也、菊池完を中心とした最終ラインが負けじと冷静に対応し、前半無失点に抑える。

後半に入っても数分の膠着状態が続く。

62分。左右に振られる事で、FC岐阜守備陣がゴール前を固めるだけになってしまう。DF吉田正樹がやや右寄りの中央からクロスを上げる。FW難波宏明がヘディングで大きく空いたスペースに落とすと、途中交代で入ったMF山田卓也が走り込み、左足を鋭く振り抜く、岐阜守備陣がGK日野優のブラインドとなり、ボールを見逃すとそのまま先制点を献上。

その後、岐阜はDF山田正道からMF大友慧へ選手交代し、同点もしくは逆転への執念を見せ、横浜FCに簡単にボールキープを許さない。

ロスタイム6分と長丁場に縺れ、岐阜の逆襲を受けるが、横浜FC守備陣が最後まで集中を切らす事無く、耐え切り、タイムアップ。

9月7日の第34節vs徳島以来約2ヶ月ぶりの勝利を収めた。


90分集中を切らす事無く、冷静に対応した守備。

個人技中心に、サイドからの崩し、ポゼッションと連動性を活かした攻撃。

そして、全員が全力で挑み、積極的にミスを恐れずにチャレンジを繰り返し、見ている者に対し、気持ちを見せるプレー。

横浜FCが本来目指していたサッカーが体現出来た試合だった。


試合終了後に涙を流したDF戸川健太。

昨季、東京VでJ2を経験し、J1昇格へ貢献し、今季は期限付きながら、昇格請負人として加入した。

が、開幕直前にケガをし、その後はコンディション不良を繰り返す。

更に、DF吉本岳史、八田康介。そして、ボランチからコンバートしたMFエリゼウが結果を出し、出場機会を得る事は少なかった。

第17節vs山形以来のスタメンと出場。自分の不甲斐無さと無力感。久々に出場し、ようやく横浜FCの勝利に貢献した事により、感極まったのか。

「戸川の涙」。真意は本人にしか分からず、外から見ている我々には測りえる事は無いだろう。


苦難の末に辿り着いた自分達のサッカー。

シーズンを通した場合、自分達のサッカーをコンスタントに表現する事が今後の課題か。

今までの苦難と苦労の道程を無にしない為にも、更なる進化を果たす事が来季に繋がる。

今季、残り3試合。無駄にしない為にも1試合、1試合が大事となる。

まずは、第43節vs仙台までの約2週間。このインターバルが一番大事。